前回、源内プロジェクトで7モデルが選ばれたって話をしたよね。今回はその子たちを中心に、代表的な国産LLMをキャラクター図鑑みたいに紹介していくよ!
tsuzumi 2(NTT)
NTTグループがゼロから独自開発した、完全国産のフルスクラッチモデル。1980年から積み重ねてきたNTTの自然言語処理研究の集大成なんだって。2023年11月に発表、2024年3月に商用開始して、2025年10月には大幅進化版の「tsuzumi 2」がリリースされたよ。
最大の特徴は、30Bというパラメータサイズを保ちながら、たった1つのGPUで動作する設計にあること。数百Bクラスの大規模モデルと比べて推論コストをぐっと抑えられるから、機密性の高い企業や官公庁にとって現実的な選択肢になっているんだ。2026年5月には画像や図表も扱える「tsuzumi 2 Vision」も登場したよ。
補足:30Bは「300億パラメータ」の意味。数百Bクラスのモデルが複数GPUを要するのに対し、1GPU稼働は運用コストの面で大きなアドバンテージになる。
Sarashina(SB Intuitions/ソフトバンク系)
ソフトバンクのインフラと組み合わせた法人向け提供が特徴のモデル。日本語の文化理解に強みがあって、大型モデルの知識を軽量版に凝縮した「Sarashina2 mini」が源内に選定されたよ。
PLaMo(Preferred Networks)
日本のAI研究をリードするPFNが、経産省のGENIAC支援を受けて開発したフルスクラッチモデル。既存のOSSに依存しない完全独自開発という点で、tsuzumi 2と並ぶ「純粋な国産LLM」と言えるね。源内で選ばれたのは「PLaMo 2.0 Prime」(31B)だけど、最新版の「PLaMo 2.2 Prime」では日本語の指示追従能力を測るJFBenchのスコアが大きく向上していて、フロンティアモデルに近い水準まで来ているんだって。PLaMoは自治体向けサービス「QommonsAI」にも標準搭載されていて、そちらは150以上の自治体で導入が進んでいるよ。
補足:GENIACは経産省の生成AI開発支援プログラム。計算資源(GPU)の提供が中心で、国内の複数モデル開発を後押ししている。
ELYZA(Llama-3.1-ELYZA-JP-70B)
MetaのオープンモデルLlama 3.1をベースに、日本語の追加事前学習と指示学習を施したシリーズ。フルスクラッチではなく、海外モデルをベースに日本語適応させるアプローチの代表例だね。128Kトークンという長文処理に強いのも特徴。安全なAPIサービスや国内の政府プロジェクトで活用が広がっているよ。
cotomi(NEC)
NECが開発するLLMで、企業ノウハウをAIエージェントで自動抽出したり、デジタル業務の自動化を実現するソリューションとあわせて展開されているよ。源内では「cotomi v3」が選定されたね。
Takane(富士通)
富士通のLLMで、Cohere社の「Command R+」をベースにした共同開発モデル。2026年2月には、ある中央省庁のパブリックコメント業務を効率化する実証実験に成功したと発表されていて、従来1ヶ月以上かかっていた意見の分類や要約を約10分で完了させたんだって。
補足:1ヶ月→約10分は単純計算で約4,300倍の短縮。パブリックコメントは意見数が数千〜数万件に及ぶこともあり、分類・要約の自動化効果が特に出やすい業務。
CC Gov-LLM(カスタマークラウド)
政府機関のニーズに特化したプライバシー保護機能を搭載したモデルで、データの暗号化技術に力を入れているのが特徴だよ。
フルスクラッチ勢とチューニング勢、それぞれの立ち位置
ここまで見てきた感じ、開発アプローチには大きく2つの流れがあるのがわかるよね。
- フルスクラッチ開発:NTT(tsuzumi)、PFN(PLaMo)、Stockmark、SB Intuitions(Sarashina)
- 海外オープンモデルの日本語チューニング:ELYZA(KDDI系)、rinna、サイバーエージェントなど
富士通のTakaneみたいに、海外モデルをベースにしつつ共同開発で独自性を出すパターンもあって、一口に「国産LLM」と言っても作り方は本当にさまざまなんだ。
補足:整理すると「フルスクラッチ=自前主義」「チューニング=実利主義」「Takane型=ハイブリッド」の3タイプに分けられる。
今日のまとめ
- 源内選定7モデル:tsuzumi 2 / Sarashina2 mini / PLaMo 2.0 Prime / ELYZA / cotomi v3 / Takane 32B / CC Gov-LLM
- フルスクラッチ勢とチューニング勢、それぞれ違うアプローチで日本語に強いモデルを目指している
- モデルごとに得意分野や提供形態(オンプレミス/クラウドAPIなど)が違う
次回は、これらのモデルが実際にどんな場面で使われているのか、活用事例を見ていくよ!
参考情報
- NTTニュースリリース「NTT版LLM tsuzumi 2の提供開始」(2025年10月20日)
- 富士通プレスリリース「パブリックコメント業務に大規模言語モデル『Takane』を活用」(2026年2月3日)
- Preferred Networksニュース「PLaMo翻訳、ガバメントAI『源内』で利用開始」
この記事はShin’s Gen AI Labの「国産LLM入門」シリーズ第3回です。

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