前回は「国産LLMって何?」を解説したね。今回は、なぜ2026年になって急に国産LLMが盛り上がっているのか、その理由を掘り下げてみるよ。
キーワードは「源内(げんない)」
いちばん大きな出来事は、デジタル庁が進める「源内」プロジェクト。全府省庁の職員、約18万人が使うことになる政府横断型の生成AI活用環境なんだ。名前の由来は江戸時代の発明家・平賀源内で、「日本独自の技術力でAI活用を推進する」という意思が込められているよ。
このプロジェクトは2025年5月にデジタル庁内で先行運用が始まって、2026年5月をめどに希望する各省庁の職員、約10万人以上が使える規模まで拡大される計画なんだ。
補足:平賀源内は日本初の発明家的存在として知られ、エレキテル(摩擦起電機)の実演で有名。「新しい技術で世を驚かせる」イメージがプロジェクト名の由来に重なる。
国産LLMの公募、7モデルが選ばれた
2026年3月6日、デジタル庁は「源内」で試用する国内開発LLMを正式に選定したよ。15件の応募の中から選ばれたのは7モデル。tsuzumi 2(NTT)、Sarashina2 mini(ソフトバンク系)、PLaMo 2.0 Prime(Preferred Networks)、Llama-3.1-ELYZA-JP-70B(ELYZA)、cotomi v3(NEC)、Takane 32B(富士通)、CC Gov-LLM(カスタマークラウド)――このあたりの名前は、次回くわしく紹介するね。
選定にあたっては、こんな基準がチェックされたんだって。
- デジタル庁が初めて実施する50問のベンチマークテストで優秀な結果を出せること
- ハルシネーション(誤情報生成)や差別的表現への対策が明確であること
- 政府職員が機密性の高い情報を扱えるだけのセキュリティ対策があること
今後のスケジュールはこんな感じ。
- 2026年8月〜:源内での試用開始
- 2027年1月ごろ:評価・検証結果の一部を公表
- 2027年4月〜:優れたモデルをガバメントAIとして政府調達(有償)
補足:15件中7モデル、採択率は約47%。国のベンチマーク選定としては競争率が高めの部類に入る。
なんで政府が「本気」なの?
正直、ここまで国が前のめりになるのは珍しいよね。理由は大きく2つあると考えられているよ。
① 経済安全保障・デジタル主権
行政文書や機密情報を海外のAIサービスに渡さずに処理したい、というのは各国共通の課題。自国のデータとインフラでAIを開発・運用する「ソブリンAI」という考え方が、国策としてはっきり打ち出されているんだ。
② 政府自身が「ヘビーユーザー」になる戦略
政府自らが国産LLMを大量に使うことで、国内AI市場をぐいっと牽引しようという狙いがあるよ。単に行政文書の作成を効率化するだけじゃなくて、「国産AIの自律的な技術基盤を育てる」という長期的な意味も込められているんだ。
民間でも導入が広がっている
源内はあくまで入り口。国産LLMの採用は政府機関だけにとどまらず、データ主権や機密保持が厳しく問われる金融、医療、法務、製造業といった分野でも導入が加速しているよ。
ただし、これは海外の最先端モデルを完全に置き換える動きではなくて、「機密性の高い業務は国産、それ以外は海外の最先端モデル」といった使い分け戦略が、2026年の日本における国産LLM採用の大きな特徴になっているよ。
今日のまとめ
- デジタル庁の「源内」プロジェクトが国産LLM普及の中心的な推進力
- 2026年3月、7モデルが正式選定。2026年8月から試用開始
- 背景には経済安全保障・デジタル主権という国家戦略がある
- 金融・医療・製造業など民間分野でも導入が加速中
- 海外モデルを置き換えるというより「使い分け」の流れ
次回は、実際に選ばれた7モデルたちを、それぞれの個性込みで紹介していくね!
参考情報
この記事はShin’s Gen AI Labの「国産LLM入門」シリーズ第2回です。

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