以前の記事「【AI虎の巻】Teams×AI議事録のミスを劇的に減らす!ハルシネーションと抜け漏れを防ぐプロンプト術」で、AIの誤変換を防ぐ「固有名詞・専門用語辞書」を紹介しました。「砂糖さん」を「佐藤さん」に直す、あの辞書のことです。
今回はその続編・補足編として、この辞書を「AI自身に育てさせて、雪だるま式に賢くしていく」という一歩進んだ運用術だけに絞ってご紹介します。前記事を読んでいなくても大丈夫なように、要点は都度おさらいします。
おさらい:そもそも「辞書」とは?
Teamsの文字起こしは、人名やプロジェクト名、社内用語などをしょっちゅう誤変換します。そこで、プロンプトの中に「この単語はこう直して」という対応表をあらかじめ入れておくのが「辞書」の仕組みです。
【固有名詞・専門用語辞書】
- 「砂糖さん」 ➔ 「佐藤さん」
- 「てぃーむず」 ➔ 「Teams」
- 「プロジェクトえー」 ➔ 「Project-A」
この辞書が充実するほど、AIが自動で正しい表記に直してくれるので、確認や修正の手間が減っていきます。問題は、「どうやって辞書を充実させ続けるか」です。
本題:辞書の「更新作業」もAIにやらせる
解決策はシンプルです。議事録が完成したタイミングで、「今回間違えた単語を洗い出して、辞書に足したバージョンアップ版を作って」とAIにお願いするだけ。以下のプロンプトをコピーして使ってください。
今回の議事録作成を踏まえて、文字起こしでAIが間違えやすかった用語(誤変換した人名・社名・プロジェクト名・専門用語など)を洗い出し、以下の【現在の辞書】に追記した「バージョンアップ版の辞書」を出力してください。
- 既存の項目はそのまま残してください。
- 今回新たに見つかった誤変換パターンを「誤 ➔ 正」の形式で追加してください。
- 重複する項目は統合してください。
- 誤変換かどうか確信が持てないものは辞書に加えず、「確認候補」として別枠でリストアップしてください。
【現在の辞書】
(前回までの固有名詞・専門用語辞書を貼り付け)
ポイントは、既存の辞書を一緒に読み込ませることです。こうすることで、AIは「前回までの蓄積」に「今回の新しい発見」を上乗せした、育った辞書を返してくれます。
これが「雪だるま式」の正体
この運用のいいところは、使えば使うほど勝手にラクになっていく点です。流れにするとこうなります。
- 1回目の会議:辞書はまだ薄い。AIがいろいろ間違える → 完成後、間違いを辞書に追加
- 2回目の会議:前回の間違いは最初から補正される。新しい間違いだけ発生 → それも辞書に追加
- 3回目、4回目……:よく出る単語はほぼ網羅され、新たな間違いは徐々に減っていく
こうして辞書がどんどん分厚くなり、それに反比例して「確認・修正の手間」が減っていきます。まさに、転がすほど大きくなる雪だるまのように、あなた(またはチーム)専用のAIアシスタントが育っていくのです。
ひとつだけ注意:最後のチェックは人間が
とても便利な方法ですが、ひとつだけ気をつけたい点があります。それは、AIが「本当は正しかった表記」を誤変換と勘違いして辞書に入れてしまうことがある、という点です。
もし間違った対応(例:正しい「斉藤さん」を「齋藤さん」に直す、など)が辞書に紛れ込むと、それ以降ずっと誤った補正が固定化されてしまいます。先ほどのプロンプトに「確信が持てないものは確認候補として別枠に」と入れているのは、このためです。
辞書を「手で書き足すもの」から「AIに育てさせるもの」へ。ほんの少し指示を変えるだけで、メンテナンスの負担はぐっと軽くなります。議事録づくりを続けている方は、ぜひ今日から取り入れてみてください。
この記事は「【AI虎の巻】Teams×AI議事録のミスを劇的に減らす!ハルシネーションと抜け漏れを防ぐプロンプト術」の続編・補足です。辞書の基本や議事録作成の全体像は、あわせて前記事をご覧ください。

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